【基本】銀貨から始めよう
購入フェイズの出力を上げる
ドミニオンの基本的なルールとして、最初のデッキは10枚。
内訳は1枚1勝利点となる屋敷が3枚と、購入フェイズにおいて1枚で1金の出力を出す銅貨が7枚。まずはそこから5枚を引いてターンを開始する*1。
銀貨の購入コストは3金なので、どのゲームでも1ターン目ないし、2ターン目に必ず購入できることが保証されているカードです。
基本的に毎ターン手札は5枚と考えて、属州を買うためには金貨が必要と考えるのが普通でしょう。別に銀貨が4枚あれば買えなくもないですが、この銀貨は"最大出力"という可能性を3・4ターン目という早い時点で広げてくれます。例えるなら、強力な魔法を唱える最に必要な最大MPが足りない状況から引き上げてくれます。時には『MPが足りない!』という現象の回避にも繋がったりします。
銀貨や金貨は常に用意されるカードです。そして、サプライに2金のアクションカードがない時のMP切れ事故は、パスをするしかないというリスクを銀貨は低減してくれるカードだったりします。
銀・銀から始めるドミニオン
まず1・2ターン目で合計2枚の銀貨を購入します。そして、捨て札にある購入した銀貨2枚を含む全てのカードがシャッフルされてから作り直されたデッキから5枚を引きます。もし、この時に6金以上の出力があれば金貨を買ったり「職人」を買うことができます。5金しかなければ「魔女」も良いでしょう。
ここでは職人に注視します。職人は5金以下のカードが何でも手札に加えられる上に、山札の1番上に置くことができるため、アクション権がなくても次のターンにそのアクションカードを送ることで、アクションが無駄になりません。
魔女をプレイしても職人が入手できるとは限りませんが、職人があれば魔女は手に入り、かつ即使用も可能ではあるので、職人は5金以下のカードの全ての上位互換とも言えます。
また、銀・銀の購入から入ったにも関わらず、あなたは屋敷3枚・銅貨2枚の手札を引いてしまいました。いわゆる事故かもしれません。ですが、幸いにもサプライには「堀」がありました。
堀は単なる2ドローですが、その2ドローがあれば5ターン目には属州が手に入る可能性がありますね*2。「王子」がサプライにあれば問題ないでしょう。
あくまでも、それらは可能性の話にしか過ぎませんが銀・銀で入ることは、可能性を広げつつ、アクションカードから入らないことでその後のアクションカードの購入時に融通が利くようになります。アクションカードをプレイして、アクションカードを手札に引いてしまった時にアクション権が残っていなければ、それは購入したアクションの無駄遣いであり、過去のターンを無駄にしてしまう実質パスと同様のことに繋がってしまうのです。
最初のうちにあれやこれやといったカードを覚えるよりも、まずは毎回使う可能性の高い銀貨への理解を高めることは、ドミニオンというゲームをシンプルに考えられるかと思います。
銀貨をリスクとするかどうか。
サプライには「民兵」がありました。もし、このカードを毎ターン相手に使われたとします。そうなると、あなたの手札は常に3枚であるため、金貨がなければ属州を買うことはまずできません。おそらく、あなたも相手と同じように、民兵・銀という購入からゲームを初めているでしょう。
サプライに「書庫」があれば民兵への対応は簡単です。このカードは民兵に対するアンチカードであり、民兵を購入したプレイヤーにとっては非常に厄介なカードです。何せ、手札の屋敷を捨てた上で7枚までカードを引けるのですから。7枚の手札なら、銀貨1枚と銅貨6枚で属州ですね。おそらく、その場合は民兵・銀よりも銀・銀と購入した方が、最終的に属州を買い続けられる可能性は高いでしょう。
また、書庫は5金のカードなので、最初に銀・銀と入っていれば購入できる可能性は非常に高まります。しかし、サプライには必ずしも書庫があるとは限りません。ですが、基本セットでプレイするだけであれば最悪でも「市場」はあるかもしれません。市場も書庫と同様に5金ですから、銀貨はデッキの回転に不必要と思うプレイヤーには邪魔と感じるかもしれませんが、デッキを構築"し続けていく"ためには最低必要なカードと言えるでしょう。
時には本当に「結局、金貨がないと無理」と考えるかもしれません。ですが、そういった場合はあなたも民兵を購入しているハズでしょう。6金が出ずに相手より先に金貨が購入できなかったとはいえ、あなたが相手の金貨購入を妨げている可能性も否定できません。3・4ターン目で5・6金の手札を潰されたとしても、ゲームとしてはまだ序盤です。ここであえて銀貨購入をすることで、5・6ターン目で銀貨2枚が揃う確率が飛躍的に高まります。この6ターン目まではどんなゲームであれ粘ってみることを推奨いたします。
この、3・4ターン目に4金だからといって2・3枚目の民兵を買い続けた場合にゲームはあなたにとってつまらないものになる可能性が高まります。それを回避する上でも、3枚目・4枚目の銀貨を購入し「ドミニオンは時に耐え続けるゲーム」もあるということを理解しましょう。
もし、あなたが3枚目・4枚目の銀貨を買っている時、サプライに鍛冶屋があった場合はどうでしょうか? その場合は金貨は不要かもしれません。堀であれば手札5枚からの開始は保証されていますから「金貨の購入が必要か?」と考える必要があります。
銀貨をたくさん買っている場合、金貨を購入すること自体が無駄になっているシーンはドミニオンでは多々あったりします。今後出て来るであろう拡張されたカードであれば、山札から5枚引いたり、山札3枚の内容を見てから更にそれを引くか、その下の3枚を引くという選択ができる強力なカードが出てきます。実のところ、金貨はそんなに必要なくて、銀貨で間に合うゲームというのも少なくありません。
沈んだ時は?
これは仕方がないことです。
銀・銀スタートをしなくても、購入したアクションカード2枚が沈むケースもよくあります。時には3連続でそれが起こる場合すらあるのです。
ドミニオンというゲームでは、どうしようもなく負ける運ゲーというのも多々あります。なので、どんな方であれば必ず勝ち続けるというのは無理なのです。ドミニオンはある程度の勝利を続けることは可能ですが、むしろ負けを必ず回避できるということはありません。【このゲームをやり続ければ必ず負ける】ということを踏まえた上で、サプライの反省をすると良いでしょう。そして、それが運かどうなのかで結論をつけると良いでしょう。運なら仕方ないですしね。
時には、これは『私が強過ぎるからのハンデだな』という軽口を叩ける程度に、時には艦これのようにチャレンジをし続けることでやがて勝利をもぎ取るゲームだと人によってはそう捉えても良いかもしれません。
まずはデッキ構築を楽しめる、それを続けられるプレイを続けるのが良いかもしれません。勝利にこだわり続けることは否定しませんし、むしろそれは推奨します。ドミニオンへの旅路はまだ始まったばかりであり、これを単なるたくさんある中での単なる1つのゲームとして捉えるか、いや、これはもっと多くの方が興じるべきゲームであろうと考えるのも人それぞれです。沈んだら沈んだとして、それを踏まえて同人誌製作に昇華させても良いかもしれません。
ドミニオンというゲームを始める
ドミニオンとは?
2008年にアメリカで発売。日本語版は翌年にホビージャパンからリリースされ、以来ホビージャパンのボードゲーム売上において、ほぼ毎年トップの売上を叩き出しているというゲームです。TVゲームばかりの方達には認識はあまりされていないようですが、カタンやカルカソンヌといった普段からボードゲームを楽しんでいる方達においては偉大なゲームという印象を抱いていたり、カードベースのボードゲームということで、遊戯王やMTGを遊んでいる方達には遊びやすく、そちらから流れてきた方達が新たに始めるゲームとして丁度良いようです。 (※筆者は2011年には知ってましたが、本格的に遊び始めたのは近年です)
近年では、Gigazineで最新拡張のプレビュー記事が作成されたり、今や時流の人となったひろゆき氏が一番関心したゲームとして、このゲームを挙げるなど、以前と比べて遥かにこのゲームの存在がカタンのように一般化されてきたように思います。
とりあえず始めてみる
ゲームとしては対戦型カードゲームですが、TCG型のカードゲームはデッキを用意するところから始めますが、このゲームのメカニズムは『デッキを構築していく』という形で成り立っていて、毎回"サプライ"と呼ばれる場から、プレイヤーが交互にデッキに加えるカードを選択していって、ゲーム終了時に構築されたデッキの勝利点で競うという具合になっています。まぁ、こーいうのは「習うより慣れろ」であって、まずはやってみましょう。
上記のリンクから、"ほぼ"公式のオンライン版が無料で遊べます。適当にユーザー名・パスワードを設定して開始しましょう。 (※運営・開発はその世界では知られているドミニオンの強豪プレイヤーやボランティアにより行われています)
まずはログイン画面より、新規卓を選択してCPU対戦を始めます。
次の画面はゲーム開始後の第1ターンの「購入フェイズの画面」です。アクションフェイズは省略していますし、カードのコスト・効果についても省いていますが、まずはゲーム画面の見方として残り枚数とプレイエリアには気を付けて適当に遊んでみると良いでしょう。このあたりは本当に「習うより慣れろ」です。
そして、サプライに注目しましょう。左側に表示される属州から銅貨までの7種類の山は毎回どのゲームでも共通して使用されるものですが、右側の大きく表示されている10種類の山がゲームによって毎回異なる内容となることでドミニオンというゲームに飽きから遠ざけている作りとなっています。
さて、初めてのゲームはどんな具合だったでしょう? 面白かったですか? CPUには勝てましたか? 最初はCPUとある程度対戦してゲームに慣れていきましょう。そのうち、どんなカードが強力か分かってくるでしょう。そして、対人戦をやると上手くいかなかったり……といった壁が出現してきます。次回からはそんな"壁"を乗り越えていくために1枚1枚のカードを詳しく掘り下げていきたいと思います。